朝日生命寄付講座「現代金融ビジネス入門」

 会計ファイナンス学科教員の安藤です。

 会計ファイナンス学科には実務経験が豊富な教員が多数在籍しているとともに、企業と連携した実践的な授業も開設しています。今回は、朝日生命保険相互会社様と連携して実施している朝日生命寄付講座「現代金融ビジネス入門」をご紹介いたします。

 朝日生命寄付講座「現代金融ビジネス入門」は会計ファイナンス学科の学生は2年生以上(ビジネスデザイン学科の学生は3年生以上)が受講でき、選択科目ではありますが、毎年数多くの学生が受講している人気の科目です。銀行、証券、保険を中心に、金融ビジネスの最前線で働いておられる実務家の方々をお招きしますので、その業務内容や業界に関する知識を臨場感あふれる形で学ぶことができます。

 7月4日(木)3時限目には、朝日生命保険相互会社ダイレクト事業部の高野竜爾様にお越しいただき、「生命保険会社のマーケット戦略について」というテーマでお話しいただきました。

 本講座では、まず生命保険の基本について学びました。少子高齢化や社会保障制度の変化、家族形態の変化、女性の社会進出など、現代社会における様々な課題が、生命保険へのニーズを高めていることが説明されました。一言で「保険」と言っても、ライフステージに合わせて必要な保障内容や金額は大きく異なります。そのため、ご自身の状況に合った保障プランを検討することが重要です。

 続いて、国内生命保険市場の概況について説明がありました。市場規模の大きさだけでなく、近年では、万が一の不安に備える「第一分野(死亡保険)」から、病気やケガ、介護などの不安に備える「第三分野(医療保険、介護保険)」へのシフトが進んでいることも紹介されました。

 本日のメインは、朝日生命保険相互会社様が実践されているICTを活用したマーケティング戦略です。生命保険の販売チャネルは営業職員がメインですが、近年ネットを通じた加入が増加しています。朝日生命様が力を入れておられる販売チャネル開発の具体的な事例をいくつかご紹介いただきました。

 また、ビッグデータ・AIを活用することで、これまでに営業職員がそれぞれに培ってきた勘や経験などを仕組化し、生産性を高める取り組みについてもご紹介いただきました。様々なデジタル戦略を通じ、朝日生命様は顧客満足度の向上と営業効率化を実現しています。テクノロジーの進化は保険ビジネスの在り方を変革する可能性を秘めており、今後ますますの活用が望まれるとのことです。

 受講生からは、以下のような感想が寄せられました。

「日本人の約8割が生命保険に加入していることに驚いた」

「人生のライフステージに合わせて自分に必要な保障を見直す必要性が理解できた」

「今は人に会わずにアプリで簡単に保険に加入できたり、AIが情報を管理したりとデジタル化が進んでいることがわかり興味を持った」

「ICTを活用したマーケティング戦略について、普段聞くことができないようなチャネル開発やサービス開発について聞くことができて面白かった」

「ビッグデータを活用することによってさまざまな人へのアプローチができるようになったり、保険募集以外の目的でも活用できることを学べた」

「AIを利用することで生産性が高まっていることに驚いた」

 本講座を通して、受講生は生命保険に関する基本的な知識を身につけ、さらにはICT活用の有用性についても幅広い学びをえることができたようです。

 会計ファイナンス学科では、可能な限りビジネスの現場に近いところで学びを深めることを目指しています。この朝日生命保険相互会社様の寄付講座「現代金融ビジネス入門」は、まさにその目的どおりの講座です。