【鈴村ゼミ3年:株式会社IHI訪問】

 こんにちは。鈴村ゼミ3年の酒井と山元です。11月13日に鈴村ゼミと伊勢坊ゼミは、重工業の事業展開とその魅力について理解すべく、江東区豊洲にある株式会社IHIの本社を訪問しました。

 IHIは新一万円札の肖像として使用されている渋沢栄一が創設期の初代会長で、三菱重工業や川崎重工業とともに三大重工業企業のひとつとして位置づけられている大企業です。しかしながら、私たちの大半がそうであったように、IHIという社名を初めて聞く方もいらっしゃるのではないでしょうか。IHIの歴史は古く、江戸時代のペリーの黒船来航をきっかけにつくられた造船所からはじまり、昨年なんと創業170周年を迎えたそうです。石川島重工業と播磨造船所が合併し、長らく石川島播磨重工業という社名でしたが、2007年にIHIへ社名が変更されました。ちなみに、IHIはIshikawajima-Harima Heavy Industriesの略です。

 IHIは複数の事業を有しており、橋梁や水門、発電設備、鉄道車両だけでなく、航空エンジンやロケットなど航空宇宙事業も展開しています。今回の訪問では、IHIの歴史と技術が展示されているi-museを見学し、東京駅の鉄鋼部分、明石海峡大橋、宇宙ロケットや小惑星探査機はやぶさなどの展示スペースをまわりながら、IHIが携わった事業や技術についてご紹介いただきました。展示品の中には、IHIから現JAXAに転職し、宇宙飛行士となった野口聡一さんの写真やサインもありました。

 i-muse見学後は、人事部採用グループ長の安野淳哉様にご講演いただきました。IHIの経営理念は「技術をもって社会の発展に貢献すること」と「人材こそが最大かつ唯一の財産である」の2つであり、社会や産業の発展を支えるために活躍の舞台は世界中であること、ひとりではできないことをチームで成し遂げること、そのための価値創造プロセスのために個人の成果を最大化していく働き方を制度設計されていることをお話いただきました。特に、「復活年休」や直属上司への相談なしに希望先の上司へ交渉して異動することが出来る「キャリアチャレンジ制度」には、実務経験のある鈴村先生と伊勢坊先生がとても驚かれていました。こうした制度設計からも、IHIは経営理念に基づいて従業員を重んじる魅力的な会社であると思いました。

 インターネットを活用することで企業情報を容易く収集することが可能ですが、今回の訪問では単に調べただけでは得られない製造業の魅力や可能性、必要性について気づけたことは大きな収穫でした。また、最後の質疑応答の時間帯に、安野さんは就職活動で業界や職種を絞れないという私の悩みに対してアドバイスをしてくださり、キャリアのお話もしてくださいました。この先どうなりたいのか、どうありたいのか、もしそうならなかったらどうしたいのかという今後のキャリアについて考えること、ゴールを明確にして、人生を自ら決定していくべきという安野さんからのメッセージを肝に銘じて、就職活動をしていきたいです。