朝日生命寄付講座「金融ビジネスのニュートレンド」(2)

 会計ファイナンス学科教員の安藤です。会計ファイナンス学科では、企業と連携した実践的な授業も開設しています。今回は、朝日生命保険相互会社様と連携して実施している朝日生命寄付講座「金融ビジネスのニュートレンド」(後期科目)をご紹介いたします。

 この講座は会計ファイナンス学科の学生は2年生以上(ビジネスデザイン学科の学生は3年生以上)が受講可能で、選択科目ではありますが、毎年数多くの学生が受講している人気の科目です。金融ビジネスの最前線で働いている実務家の方々をお招きしますので、その業務内容や業界に関する知識を臨場感あふれる形で学ぶことができます。

 10月31日(木)は、朝日生命保険相互会社人事部キャリアアドバイザー役の古賀麻耶様にお越しいただき、「人的資本経営を学ぶ~ウェルビーイング(社員の幸せ)と会社の成長をつなげる経営~」というテーマでお話しいただきました。

 今回の講義では、企業の目指す方向を示す「経営理念」の重要性から始まり、人的資本とは何か、そして企業が人財に投資することで得られる長期的な効果について学びました。また、人的資本経営を実践するための要素や、それと同時に実現される従業員個人のウェルビーイングについてもお話しいただきました。

 また、講義の途中で実施いただいたワークでは、企業名と経営理念を結びつけるクイズに挑戦し、企業の考え方や価値観について理解を深めました。加えて、朝日生命保険相互会社様の事例を通して、人的資本に関する情報開示の具体的な内容を学びました。講義の最後には価値観分析ワークやマンダラチャートを使った価値観分析を行い、自分自身のキャリアについて深く考える機会をいただきました。

 就職活動を控えた2年生・3年生にとって、人的資本の情報開示情報を参照しながら働く環境を選ぶという考え方や、働く個人が自らのキャリアについて主体的に考え、自らのキャリアに責任を持ってキャリア形成に取り組むというキャリア自律の考え方は、これからの人生を切り開く上で大変役に立ったようです。貴重なご講義に感謝しております。

 最後に、授業後の学生の感想をいくつかご紹介いたします。

・現在就活に向けて取り組む中で企業や業界の下調べの重要性を痛感しています。特に企業理念が大切だと感じ、自分の価値観と照らし合わせることが必要だと思いました。早く終わらせたい気持ちが先行しがちだけど、焦らずに、企業が求める人材と自分の目指す方向性をしっかり考えたいです。

・就職活動において、自分が志望する企業に入社することがゴールだと捉えてしまいがちですが、あくまでもそれは目標の一つであり、仕事は人生の一部に過ぎないため、入社後でもやりたいことを見つけて続けられるということを学びました。

・人的資本経営の重要性について新しく学びました。企業が持続的な成長を実現するためには、単に利益を追求するだけでなく、社員一人ひとりの成長と幸福が重要な役割を果たすことが大事なのだと思いました。

・講義の最後にセレンディピティについて教えていただき自分でも調べてみましたが、私は失敗や挑戦から逃げて学びが少ない人生を歩んできました。しかし、勇気を出して行動することで思いがけない価値を見つけ、人生をより学びの多い充実したものにしていきたいです。