朝日生命寄付講座「現代金融ビジネス入門」

会計ファイナンス学科教員の伊勢坊です。

会計ファイナンス学科には実務経験が豊富な教員が多数在籍しているとともに、企業と連携した実践的な授業も開設しています。今回は、朝日生命保険相互会社様と連携して実施している朝日生命寄付講座「現代金融ビジネス入門」をご紹介いたします。

朝日生命寄付講座「現代金融ビジネス入門」は会計ファイナンス学科の学生は2年生以上(ビジネスデザイン学科の学生は3年生以上)が受講でき、選択科目ではありますが、毎年数多くの学生が受講している人気の科目です。銀行、証券、保険を中心に、金融ビジネスの最前線で働いておられる実務家の方々をお招きしますので、その業務内容や業界に関する知識を臨場感あふれる形で学ぶことができます。

 7月6日(木)3時限目には、朝日生命保険相互会社マーケティング・デジタル事業部の室橋亮太様にお越しいただき、「生命保険会社のマーケット戦略について」というテーマでお話しいただきました。 

 まず、生命保険のニーズが高まる理由として、少子高齢化等の将来推計人口から鑑みる医療・介護保険制度や年金保険制度の負担増、家族形態の変化や女性の社会進出による女性の保険加入の必要性などが挙げられました。次に、生命保険に入る理由、預貯金との違い、変化するライフステージやライフスタイルに合わせて必要保障金額や保障バランスを検討していく必要性等、生命保険の基本についてご説明いただきました。さらに、国内生命保険は万が一の不安に備えた保険である第一分野から、病気やケガ・介護の不安に備えた第三分野へとシフトしているという国内生命保険マーケットの変化にも言及されました。

 本日のメインは、朝日生命保険相互会社様が実践されているICTを活用したマーケティング戦略です。生命保険の販売チャネルは営業職員や代理店などがメインですが、今後加入意向のあるチャネルとしてネットが注目されています。生命保険会社としては、デジタルを活用した販売チャネル変革(顧客接点の多様化・効率化)や、個別化するお客様が価値を実感できる商品・サービス提供が不可欠で、テクノロジーの進化は保険ビジネスの在り方を変革する可能性を秘めており、今後ますますの活用が望まれるとのことです。ご講義の中では、実際に朝日生命保険相互会社様が実施されているマーケティング戦略について、具体的にご説明いただきました。

 受講した学生から「なぜ貯蓄では十分な備えにならないのかが理解できました」、「銀行は株式会社だが、生命保険会社は株式会社でも相互会社でもよいことを知った」、「国内生命保険のマーケットボリュームが想像以上に大きくて驚いた」、「保険の知識だけでなく、マーケティングという観点からの話が面白かった」、「保険会社でマーケティングとは何だろうと想像ができなかったが、授業の中で、YouTubeやSNSを駆使して宣伝しているということがわかった。今後ますますデジタルマーケティングは大事になっていくと考える」「グッドデザイン賞を受賞した“あんしん介護”という商品の話がありました。よい商品を人々に知ってもらうためには、介護保険が必要な世代の人たちが広告を見る必要があると思います。誰にどのようなタイミングで広告を見てもらって契約してもらうか、保険会社のデジタルマーケティングは楽しそうだなと思いました」などのコメントが寄せられています。

会計ファイナンス学科では、可能な限りビジネスの現場に近いところで学びを深めることを目指しています。この朝日生命保険相互会社様の寄付講座「現代金融ビジネス入門」は、まさにその目的どおりの講座です。